ぼちぼちひとり

考えたことを少し。

ダーニング

  木枯らし第一号は思いの外寒かった。

  

 先日、衣替えして以来初めてまともに「おでかけ」をする機会があり、普段はあまり着ないワンピースに合わせてタイツを履いた。黒いリブのタイツで、確か昨年の冬下ろして割と好んで履いていた(夏場はアトピーで汗疹がひどいため、色の付いたタイツで足全体を覆い隠せる冬にスカート・ワンピース着用率が上がる)。

 履いてから左足の親指付近に穴が空いているのに気づいたが、ともかく待ち合わせに急いでいたので上から靴下を重ねばきしてごまかした。

 

 帰宅してからそういえば、と思い至ったのがダーニングという技術だった。

穴の周りを少し大きめにとって、縦横に糸で布を織るようにして穴を塞ぐ方法である。検索をすれば、ダーニングマッシュルームという、木製のきのこの形をした道具を穴の裏側に差し込んでおくと流血沙汰を起こさずにダーニングができるとあった。代用できるものを家の中で探したら、雑な地球の地図の書かれた木製の小物入れを発見した。タイツの爪先に差し込んでみたところ球形がうまく爪先にフィットする。太めの刺繍糸を選び、ものは試しだとやってみた。

すると思いの外楽しく、所要時間もものの15分程度だったと思う。縦横に糸をくぐらせて穴を塞ぐ作業に、無心で没頭した。

出来上がりは初めてにしてはまあまあだと思う。オレンジと赤のグラデーションの入ったパッチワークのような模様が、真っ黒なリブタイツの爪先でえらく目立っている。正方形に失敗してちょっと潰れた不恰好な形だがそれはまあ、愛嬌だということにしておこう。

 

ちまちましたことに一喜一憂する日々で、ゼロウェイストというより最早ただの貧乏性のような気さえしてくる…。